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銀座三越 襲名展 ボンボヌールでプレミアムアフタヌーンティー 歌舞伎座 連獅子 襲名御膳 盛り沢山にも程がある一日をすごす

夫には及ばないが…割とわたしは、“天気に恵まれる体質“らしい。だからといって“日頃のおこないが良いから“なんて不遜な発言をするつもりはない。だってたかがひとりのちっぽけな人間。お天道様のご機嫌などコントロール出来る訳がない。などといかにも殊勝な発言をしてみたものの…フタを開ければ今回も観劇日和だった(笑)

最近ママ友と都内で観劇する時は現地集合することが多くなっている。彼女、お孫さんが生まれてから少なくとも月に2回は都内の娘さん宅で子守りをさせられているので、以前のように2人揃ってグリーン車で東京まで行く機会がめっきり減った。

でも、わたしは元々ソロ活動のほうが性に合っているので、ひとりならひとりで十分満喫出来てしまうから何も問題もない。いやむしろひとりの気楽さで、ママ友と一緒だと絶対行かないようなお店に入れたりするので、それもまたよきこと。

ということで今回は、銀座三越で開催中の八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助の襲名展を見て、おひとり様ランチを愉しんだあと、ママ友と歌舞伎座前で合流、六月大歌舞伎の夜の部観覧という流れでいくことに。

襲名展

現在、銀座三越では江戸歌舞伎を代表する名家である尾上菊五郎家「音羽屋」の父子揃っての襲名を記念し、二人のこれまでの活躍を紹介するとともに、普段は間近に見ることのできない貴重な衣裳・小道具やゆかりの品々を展示している。

無料の展示ではあるがなかなか見応えがある。

特に衣装は役者が実際に着ていたものであるし、連獅子の一場面などTVでちらっと見かけることはあってもじっくり鑑賞する機会もなかなかないので、銀座に来る機会があれば是非ご覧いただけたらと思った。

このあと実際に“連獅子“を鑑賞した訳だが、これだけの重装備を身につけ激しい“毛振り“を連日することは日々稽古に励み鍛錬を積み重ねなければ、体力を保つことは不可能だろうと感じた。

わたしは今回初めて“連獅子“を拝見したのだけど、TVなどで放送される場面はほんの障りに過ぎない。実際は三部構成になっており、いわゆる“毛振り“はクライマックスの一場面。セリフが入るのは三部構成の中の間狂言で、今回は、中村獅童、片岡愛之助の2人が旅の僧に扮して絶妙な掛け合いを見せてくれた。だが、それはあくまでも間狂言であって、それ以外の場面では、ほぼ今回連獅子を務める2人が時には華麗に、時には激しく、観ているこちら側まで手に汗握るような緊張感の中、圧巻の舞を披露してくれた。

ブログ的には、この1日の出来事をたった1回で終わらせるのは勿体ないかも…と思うのだが、出し惜しみするのは苦手なので、さっさと終わらせたい(笑)

ボンボヌール

さてわたし、この日も早朝から庭仕事して、一応しっかり朝食も摂っていたので、こちらのカフェで優雅な時間をすごそうと目論んだ。

待ち合わせ時間にかなり余裕を持って出てきているので、フリーフローのソフトドリンク付きのプレミアムアフタヌーンティーを選んでみた。アフタヌーンティーと言えば2名以上で頼むイメージであるが、1名分から頼めるのもいい。しかも通常混雑時には90分間の利用となるところ、2時間迄居られるのも好都合。

肝心のお味のほうだが、デザートもセイボリーも文句なし。特に上段のセバスチャン・ブイエスペシャルは、桃のガトーの周りに、フランボワーズ、プチマカロンなどを添えてジャルダン(庭園)のイメージで仕上げたもので、メレンゲと液体窒素を使い目の前で完成させるスタイルだった。

六月大歌舞伎 夜の部

ママ友、時間があったら襲名展も観たいと言っていたのだが結局集合時間ギリギリに歌舞伎座前に到着。

歌舞伎座

今回もイープラスの貸切公演に参加だったので、来場記念にプラみちゃん饅頭をプレゼントされた。

夜の部 

一、歌舞伎十八番の内 暫

市川團十郎家が得意とする「歌舞伎十八番」のひとつで、荒事の代表的な演目。善人達が悪人の横暴によってピンチに立ったとき、スーパーヒーローとして現れる鎌倉権五郎景政(團十郎)による活躍を描いた物語で、2mを超える大太刀を持ち、悠然と舞台中央まで進んでの「元禄見得」が大きな見どころ。

團十郎…TVや舞台で彼を観たことがある方はお気づきかと思うが、見栄えはいいのだが舞台役者としての声質がイマイチという印象だった。だが歌舞伎十八番は「成田屋」のおはこ。彼が衣装に身を包み演じる様は、威風堂々として他のキャラクターを圧倒するものがある。またセリフの中にその時々の時事問題を絡めたアドリブを入れるなど歌舞伎という自由な大衆演劇の面白さを感じさせてくれる点でもサービス精神が随所に感じられ好感が持てる。

例年五月に行われる「團菊祭」は、明治時代に活躍した九代目市川團十郎と五代目尾上菊五郎の功績を称えるために始まったもので両者の名前から一文字ずつ取って「團菊」と名付けられた。

豪放磊落な役柄を演じる「成田屋」(市川團十郎家)と、弁天小僧菊之助をはじめとする伝統的な演目と、立役と女方の両方を演じられる確かで洗練された技巧が求めらる芸風の「音羽屋」(尾上菊五郎家)。この一見して個性が大きく異なる芸風を持つ名門が互いに協力し切磋琢磨していくことが今後の歌舞伎界の発展の為に不可欠なのは間違いないであろう。

1度目の幕間(30分休憩)ママ友がちょっと何か飲みたいというので花籠Barで、ちょっと一杯のつもりがもう一杯。いぶりがっこチーズをおつまみに(笑)

二、口上

八代目 尾上菊五郎

六代目 尾上菊之助

七代目 尾上菊五郎

八代目の誕生後も、当代は「七代目菊五郎」のままという…松竹によると、同じ名跡を2人が同時に名乗るのは、少なくとも近代の歌舞伎界では例がないという。この七代目の異例の決断は、昨年1月に公表した脊柱管狭窄症がきっかけ。舞台を休みがちになり「菊五郎という名前はいつも元気で働いていなくては」と、菊之助への継承を決意した。だがその一方で、芸能生活の幕を閉じるまで菊五郎のままでいたい思いも消えず、両方をかなえるのが、七代目と八代目の並立だった。

口上に登場した七代目だが、やはり声の張りだけでも他を圧倒する存在感がある。その生涯現役で在り続けたいという気概には鬼気迫るものが感じられる。

2度目の幕間(35分間休憩)

今度は花籠で襲名御膳をいただいた。なかなかのボリュームでしかもとても美味しい。歌舞伎のご贔屓筋は皆さん舌がとても肥えている方々ばかりなのでそりゃ美味しくないものは出せませんよね(⌒-⌒; )

わたし、アフタヌーンティーでもたくさんお茶やコーヒー飲んでいたので結構お腹がタプタプだが、ママ友がビールを飲もうと言うのでお付き合いしちゃった(笑)

でもねーもちろん休憩の度にトイレに行ったけれど、お腹が痛くなることはなかった。お腹壊すぐらい食べ過ぎるなんて、いい大人が恥ずかしいですもの。

そしてそこまで時間に余裕もないので、某ブロガーみたいに一品一品舐めるようなアングルで撮ってる暇もなかったわ。正直同じ料理の画像を何枚も撮ってアップするって暑苦しくないですか?所詮素人の撮る画像なんてたかが知れているし。

それにワンコインにも満たない某オーケー弁当(笑)を有名料亭や老舗レストランに比肩するとか凌駕するとか言っちゃってる人ってなんなのかしら。はっきり言ってそれってそのお店に対してとても失礼だと思う。バカも休み休み言ってね(笑)

三、連獅子

こちらは、襲名展でも触れたが、そもそもわたしがなぜ急に思い立ってこの襲名披露公演に行こうと思ったかと言えば、尾上丑之助改め六代目尾上菊之助の演技を生で観てみたかったから。しかもイープラス貸切公演というこれまた特別感のある公演が企画されたからだ。

梨園の御曹司ってそこそこいらっしゃるでしょ。TVでも定期的に成田屋さんや中村屋さんの近況が放送されて好評を博している。そういう意味でいうと、わたしにとって音羽屋さんは正直なところそこまで身近な存在ではなかった。しかし、あの偶々見かけた神田明神での舞踊があまりに素晴らしすぎて…しかも数多いる御曹司の中でも、2人の人間国宝を祖父にもつ究極の御曹司となるとそうそういるものではない。そして彼の面差しが故吉右衛門によく似てらして、とても綺麗な顔立ちなんですよ。いやーこれは、最近特に推しの芸能人もいなくて寂しかったので(笑)、このおばさんがひっそりと応援するには格好の人材だなぁと。

それにしても、連獅子という歌舞伎の演目を初めて“通し“で拝見したが、ここまで中身の濃いものとは思ってもいなかった。歌舞伎のチケットってそんなにお安くはないけれど、近頃普通の舞台でも1万円超えは当たり前なので、その点だけで言っても、この後の“芝浜“まで平均して3つの演目を楽しむことが出来るのだからむしろコスパ悪くないかも。

連獅子の衣装

ちなみに今回は東京までの交通費、お食事代なども考慮してあえて3階B席(税込6000円)で。でもこれ芝居好きからすると役者が少し遠くなってしまったり、花道が一部見切れてしまうなど多少デメリットはあるものの、全体が見渡せて十分楽しめる席なのである。今回これまた幸運にも、センターの通路脇の席が割り当てられたので、入退室のストレスとも無縁だった。

3階B席からの眺め この角度から見る祝幕も素敵

とにかく、今回この歴史的襲名披露公演を観ることが出来ておばさんは、ガーデニングと共にもうひとつ老後の楽しみが増えた気がしてとても嬉しかった。

わたし自身、菊之助さんが次の菊五郎さんを襲名するまで生きていられるかは分からないが、このような未来永劫残していくべき伝統芸能に明るい兆しが見えてきたことはひとりの日本人として喜ぶべきことと思った。

四、芝浜革財布

これは言わずと知れた落語ネタ。大筋は同じでも、一人で全て行う落語と複数の役者が演じる歌舞伎では多少演出が変わってくる。あらすじはこうだ。

ある朝、大酒飲みで怠け癖のある魚屋の政五郎は、芝浜海岸で大金入りの革財布を拾います。しめたとばかりに仲間を集めて酒盛りを始めたものの、酔い潰れて寝てしまいます。さあ、目を覚ますと事態は一変。女房おたつに夢を見ていたのだと諭された政五郎は禁酒を誓うと、一念発起して仕事に励みますが…。

芝浜あらすじ

三遊亭円朝が生んだ落語「芝浜」は現在でも人気を誇る人情噺だ。江戸っ子気質の政五郎としっかり者の女房おたつの姿を通して、庶民の暮らしの悲哀や夫婦の情愛を描き出し、歌舞伎では世話狂言としても愛されている。笑いのなかにほろりとした情が描かれる名作。

歌舞伎では、スタートが芝の浜。女房に早く起こされてやることがないから海岸で顔を洗い、大金が入った財布を拾うあのシーンから始まる。そのあとは大体同じ流れで、3年前の真相(おたつの嘘)を聞いても、政五郎は怒らない。ここまで大きな魚屋にまでなれたのは全て女房の嘘のおかげなのだから。

一番違うのはオチの部分かも。

落語におけるラストは女房に酒を勧められても、飲まないが、歌舞伎では飲む。そしてさらにもう少し続きがある。元ネタの落語を知っていると、受け取り方は様々だと思うが、おそらくこれからも時代と共にアレンジが加えられて語り継がれ愛されていく話であることに変わりはないだろう。

最後はしみじみとした人情噺で幕を閉じたが、連獅子でリアルな親子の情愛を感じられる場面が多々あり、最後も夫婦の絆を感じられる話で締め括られ、じんわりと心が温かくなった。

『いやぁ〜歌舞伎って本当にいいものですね』なんて水野晴郎さんのパクリみたいなコメントで申し訳ないのですが…この歳になって、この歳になったからこそ分かる歌舞伎の良さというものもあるのかもしれない。そういう意味で、歳をとるというのは悪いことばかりではないと思った。



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