最近、土曜の夜が楽しみ♪それはこのドラマが放送されているから。
今クール、日テレで毎週土曜夜10時から放送中の『初恋の悪魔』が面白い。
若干残念なのは、この題名が恋愛モノを避ける傾向にある今の視聴者の好みに合っていないことと、林遣都×仲野太賀ダブル主演、松岡茉優、柄本佑という一見地味目なキャストで構成されていること。
このドラマの脚本は、最近だと『カルテット』、『大豆田とわ子と三人の元夫』、遡れば『東京ラブストーリー』、『最高の離婚』などを手掛けた坂元裕二が担当している。
彼の脚本はかなり好みが分かれるところで、初回を見てこりゃ合わないと視聴をやめてしまう人がいる一方で、最初は?な感想だが、なんとなく見ている間にはまっていくコアなファンが多いのが特徴だ。
昨年放送された『大豆田とわ子と三人の元夫』などもその典型で、視聴率自体は振るわなかったが、わたしは最後まで楽しく観ることが出来た。
さて、今回のドラマは、警察署に勤めているが、捜査権の無いワケありの4人の登場人物が刑事と違った視点で事件を解決していくストーリーだ。
この説明だけだと普通の恋愛ミステリーものかと思われがちだが、とにかくこの4人のメインキャストたちの演技が秀逸。そして、その紡ぎだす台詞が深いのだ。
また画面に登場する人物が少ないこともあり、家に居ながらにして舞台を観ているような感覚を味わうことも出来る。
今夜の放送から第二章に突入しているが、松岡茉優演じる摘木星砂の過去が明らかになっていく。とりわけ彼女が1人で全く違う2つの人格を演じ分けるシーンは圧巻である。同じひとりの人間でも声のトーン、表情、目の動きが変わってくるだけで、こんなにも違って見えるものかと驚かされる。改めて女優って凄いなと。
また脇を固めるキャストも実力派揃い。謹慎中の鹿浜鈴之助(林遣都)の謎の隣人・森園真澄を安田顕、4人が勤務する警察署の署長を伊藤英明が、そして、摘木星砂の過去を知っていると思われる医師・小洗杏月を田中裕子がそれぞれ演じている。
前半では、鹿浜の『マーヤーのヴェールをはぎとる』というキメ台詞がSNSでも話題になっていたようだ。
ここに出てくるマーヤーのヴェールとは、、、「現実に囚われていると本質を見えなくなる」というアルトゥル・ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』に記述されている言葉。
このようにところどころに、珠玉の台詞が散りばめられているのもこのドラマをお薦めする理由。
そして公式サイトのイントロの最後にもこんなメッセージが。
先が読めない時代に、先の読めない物語を
いかに脚本がよくても、それを演じるキャストに力がなければ映像から緊張感は伝わってこない。しかし、今回、特にこの主要メンバーは、緩急自在に球をあやつる技巧派揃い。
いまは見逃し配信等も充実しているので、まだ未視聴で興味のある方は過去の放送回を含めて是非この機会にご覧になってはいかがでしょう。
ただし来週は、あのわたしの苦手な募金活動の番組の放送があるので、次回は9/3(土)夜10時からとなる。
そして最後に本日のガーデニングネタ。今朝はペットボトルのベビーリーフを収穫した。
下のミニトマト?も元気に成長している。そろそろ花の蕾が出来るかもしれない。
そして少しだけ朝晩の気温が下がってきたこともあり、九条ネギも勢いづいてきたので、本日の料理用に少しだけ収穫。
薬味になる野菜を必要な分だけ採って使う。これ以上の贅沢は無いのではと思う今日この頃。
力のある役者は、それぞれが自分なりの薬味のようなモノを持っている。それが独特の味わいとなり自分が演じるキャラクターに命を吹き込む。そして、それら個々の役者が作り出す空気がマリアージュとなってそこにしかない世界を紡ぎだすのだろう。
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