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地元愛が強すぎる人が苦手

地元愛が強すぎる人が苦手

地元愛が強すぎるひとが苦手です。そういうひとって、何でもかんでも自分の地元が最高と言って憚りません。地元愛が強い人は、田舎も都会も関係ないのですが、その表現の仕方が少し違ってくると思います。

都会出身者はそれ以外の出身地の人に、わざわざ「やっぱり都会はいい」などと口に出して言いませんし、まして相手の出身地をディスったりはせず、心の中だけにしまっておくのが普通です。それは「本当は田舎よりも都会のほうがいい」という確固たる自信の裏返しでもあるのでしょう。

逆に、わざわざ口に出して自慢したり都会をディスるような人は、心のどこかに自信がないが故に「都会に負けたくない」と常日頃から思っているので、ついつい口に出てしまうのでしょう。
ちょっと乱暴ないい方をするなら『弱い犬ほどよく吠える』ってことなのかもしれません。

わたしは東北出身で、今は東京に近い首都圏と呼ばれる地域に住んでいます。徒歩圏内に海があり、観光地として人気の鎌倉や江ノ島も近く、しばしば住みたい街ランキングにも登場するくらいなので、おそらく全国的に見れば住みやすい地域のイメージを持たれていると思います。

でもだからといって殊更、『湘南って最高?!』などというつもりはさらさらありません。なぜなら、どんな地域にも、いい面もあれば逆にそれが悪い面になったりもするからです。確かに海は近くていいのですが、夏は海岸線が常に渋滞して、生活道路までその影響で車の移動より自転車や徒歩のほうがマシなんてことも日常茶飯事です。

なので都会であれ田舎であれ、いいところもわるいところもあるのだから、どっちが上とか下とか、そういう考え方をすること自体…世界は広く、地球上では、さまざまな人種がひしめき合って暮らしていることを知らなすぎるよなとしか思えません。

サッポロビール園のラム肉

先日、とある北海道出身の人がドヤ顔で話していることを聞くとはなしに聞いてしまったときのことです。

その人は、ラム肉が嫌いな人に、『道産のラム肉は全然臭みがないから一度食べてみて。わたしの行きつけのサッポロビール園で食べるラムのジンギスカンは最高よ』と自信たっぷりに話していたのですが…地元の人でも案外知らないものなんだなあと思ったのが、サッポロビール園で提供されているジンギスカン肉は、“くさみやクセがないオーストラリア産やニュージーランド産のラム肉だけ“なんですよ。

これ公式サイトにもちゃんと載っているので、嘘だと思うなら確認してみてね。

でも、念のため断っておきますが、わたし以前ここで食事をしたことがありますが、ジンギスカン肉もその時の旬の白アスパラもめちゃくちゃ美味しかったのですよ。

だから、そもそも美味ければ北海道産であろうとなかろうといいじゃないのかと思います。

それよりむしろ『道産だから至高』だとか、『道産しか勝たん』みたいな考え方をするほうが、他の地域(国内外を問わず)の方に対してめちゃくちゃ失礼なことで、モノを知らなすぎるんじゃないかと思った次第です。

まあ誰しも住めば都ですから、地元愛を持つことはけっして悪いことではないです。そしてみんなそれぞれの地元に少なからずプライドを持って暮らしているのですから、自分の地元上げ、他人の地元下げの発言は謹むべきかと(^_^;)

羊肉の文化と歴史

さて最後に心配性なわたしからひとつ付け加えさせていただきたいことがあります。

近年日本でも注目度が高まっている羊肉ですが、その文化と歴史は宗教も絡んで、むしろ海外のほうがずっと奥深いです。

ジンギスカンと言えば、道民のソウルフードとも言われていますが、実はこの鍋を使って羊肉と野菜を食べるスタイルは日本独特のもので、一般的に普及したのは第二次世界大戦以降。それまでは金網を使って羊肉を焼いていました。

羊は昔から様々な部位を活用することが出来ました。遊牧民の多いモンゴルでは羊1頭を無駄なく活用する文化があります。食肉以外にも毛皮は繊維に、腸はソーセージの皮や楽器の材料に、脳味噌も煮込みの材料として使われます。羊は捨てるところが殆ど無く、とても有用性の高い動物です。

わたしは以前、ソーセージ作りにハマった時期があるのですが、羊の腸は皮が薄くて柔らかくとても食感がいいのです。

日本では羊肉特有のにおい等が原因で敬遠する人も未だ多く見られますが、フランスでは高級食材として取り扱われていますし、中東では宗教上のルールで牛肉や豚肉を食べることができない地域があるため、代わりとして羊肉を食べる文化が根付いています。

また、近年ではとくに中国でも需要が増加しており、価格高騰の一つの要因とも考えられていますが、これも、日本のジンギスカンが彼らに美味しさを教えてしまったというより、元々人口が多いところに、経済活動が活発になったという、羊肉だけに限った話ではないと思います。

日本では羊肉の約99%を輸入に頼っており、その輸入量の約99%はオーストラリア産とニュージーランド産で占められています。(約6割がオーストラリア産、約4割がニュージーランド産。)このことから、わが国での羊肉の高騰に関しては昨今の急激な円安のほうが影響が大きいのは明らかでしょう。

『北海道は酪農が盛んで、農作物や海産物も豊富でサイコー』というイメージも間違ってはいないのですが、世界的に見れば、『日本国内限定』の話。

そもそも、日本の国土自体、世界地図の中でみると、とても小さい面積です。そんな狭い日本の中で、うちの地元は〜なんてドヤ顔すること自体、かなり滑稽に映ってしまいます。

今日もお読みいただき、ありがとうございます。

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