続・辛いのはあなた達だけではない

くだんの検事長の定年延長問題辺りから、芸能界の方々のご意見がいろいろと聞こえてきている昨今。今度は、芸術文化支援を訴えていらっしゃるようだ。

コロナ禍以前から私は芸能や芸術には比較的関心を持っているほうだと自負していた。年に何度か、お芝居を観に行ったり、新作映画はなるべく映画館で。有名絵画が来日すれば娘に誘われて行ったりもした。聴きたい音楽があれば、iTunesで曲を購入したり。

しかし実際そういう気持ちになれる人がたくさんいるかと言えば、YouTubeで簡単に無料の情報が入るような時代になってくるとなかなか難しいだろうと感じていた。NHKを除く民間放送局は、原則無料で番組を配信しているし、その感覚に慣れてしまうと、逆に有料で何かを観ることに対抗を感じるひとが出てくるのも当然の流れだ。

また加えて、最近本当にTVが面白くない。例えばドラマひとつとってみても、同じような俳優の使い回し。医療、刑事、弁護士のオンパレード。恋愛モノは一部の例外を除いては敬遠されがちで。それはなぜかと言えば、視聴者の年齢が恋愛ものをみて共感を感じるような年代ではなくなっているが大きいと思う。そしてそれらは大体マンガや小説などの原作ありきときたものだ。

バラエティ番組に至っては、ひな壇芸人、司会者も無難にお笑い系の人だったり、話芸には長けていても、以前のようにプロと感じられるような重みのある人が少なくなっている。

結局、ドラマもバラエティも、そして情報番組、報道番組さえも、以前どこかでみたような企画の2番煎じで、価値を感じられないのだ。

そしてそんな停滞感が漂っている状況でのこのコロナ禍。

飲食、ホテル等、接客を伴う業態は軒並み壊滅的な打撃を受けている。そしてプロスポーツ、歌舞伎等の伝統芸能、クラッシック、バレエ、ライブや演劇も同様。

さて、芸能界の皆さん。あなた方は今までどのようにして収入を得ていたのでしょう。大手芸能事務所ならば上場しているところもあるでしょうし、個人事務所を持っている方もいらっしゃるのでしょう。いずれにせよ一定の枠組みに入り、芸能界という特殊な世界に身を置いていると同時に一社会人として暮らしてきたと思います。

そして、TVのCMや出演料であなた方に支払われていた額は果たしてどれくらいだったのでしょう。もちろん個人差はあると思いますが、ドラマ1本、うん百万の方もいらっしゃるでしょうし、CMの違約金などが話題になるたびに、億単位の金額が取り沙汰されることを考えても、普通の会社員が一生掛かってても稼ぎきれないぐらいの対価を得られているでしょう。

もちろんそれはほんの一握りのひとでしょう。でも、おそらく芸能の世界にいる方は、誰に強制されることもなく、自分のやりたい道を選んできたのではないですか?

今声をあげている方の中にも一世を風靡した方もいらっしゃるはずです。そして、おそらくそういう方はアリとキリギリスの話に例えるならば、キリギリスのようにその時を謳歌されていたに違いないです。

今、国民の多くは、一人一律10万円の給付をとても楽しみにしています。そして、自営業、フリーランス、中小企業であるなら、持続化給付金が、きちんとした手順を踏めば支給されることになっています。その他、東京都からは自粛要請に協力した業種には協力金も支給されています。今、公務員や、大手企業の方々を除けば、みんな苦しい人達ばかりです。そんな給付金だけで事足りる人のほうが少ないです。

でも、そんな中でもみんな頑張っているのです。国民一丸となって、マスクや手洗いをして耐え忍んでいるのです。

芸能人の皆さまも、そんな国民のひとりですよね?今年の夏の甲子園も残念なことになったけれど、それだって特別なことじゃないご時世なんです。

国が文化や芸能に理解がないのは今に始まったことじゃない。検察官が賭博罪を犯しても訓告処分で終わってしまうこの国に期待してもしょうがないし、それでも、今回は多少なりとも何かしてくれているのだから、貰えるものはしっかり貰って、あとは自助努力するしかないんじゃないですか?

そして、本当に誰の目からみても文化や芸能だと言えるものを創造してきた人がどれくらいいるのでしょう。天災や戦争があっても廃れることなく残るものは残ってきたはずです。

自分たちは貴重な文化や芸能の担い手だから守られるのは当然だなんて、それってどうなんですかね。

違うでしょって言いたい。

日本ではよくテレビに出てくる人はタレントと呼ばれている。しかし、英語のtalent は、名詞の”才能”という意味で使われることが多い。残念ながらどんなジャンルにおいても、才能は誰にでも与えられているものではなく、それが稀なことであるから保護したり、応援したくなるのではないだろうか?

本物の文化や芸能であるなら、それこそ本人の類いまれない技術やアイデアでこの苦境を乗り越えていけるのではないか。だからこそあなた方は特別な存在なのであって、多くのファンやスポンサーから支持を集めることが出来るのです。むしろたった数ヶ月で消えてしまう存在ならば、最初から才能なんてなかったと諦めるしかない。

ということで、私は特に秀でた才能もないただのミーハーな芸能マニアで、今は非常事態宣言から解放される日を心待ちにしています。

そしてファンのひとりとして大好きなあの俳優さんや女優さんが出演する舞台の告知を今か今かと待ちわびています。その為に嫌な仕事も頑張ってるんですから。

だからお願いだから、一流の芸能人であるなら、”格付け”なんかでそれを誇示するのではなく、ご自身の芸で私たちを驚きや感動の世界に誘ってくださいませ。

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