長女がLINEで、、、「Twitterみてたらマーク・ロスコ出てきた」と言ってきました。そう、彼は当時ロシア帝国領だったラトビアのドヴィンスクで、ユダヤ系の両親のもとに生まれました。なぜ唐突にこんな話かと思われますよね?
しかしこの作品を見れば一目でその理由が分かります。
この配色どこかで見たことありますよね?あのウクライナの国旗です。
ウクライナの国旗は、青・黄の二色旗である。ウクライナ憲法20条に明確に定義されている。ウクライナ人とウクライナ民族解放運動を象徴する旗としては、1848年革命から知られている。旗色は、中世のルーシ王国の国章によるものである。一般的には「青の空と黄の麦畑」を表す旗として解釈されている。20世紀中、ウクライナ人民共和国などの国旗として用いられ、さらに反ソ・反共組織であるウクライナ蜂起軍の眼下、且つウクライナ系知識人のシンボルでもあった。
Wikipedia
ロスコの祖国ラトビアでも、ユダヤ人に対する偏見から非難や迫害があり、幼少期の彼もまた、そのような環境に対して恐れをいだいていました。つまりそんな彼のバックボーンがこの作品の世界観に投影されているのかなと、わたしは勝手に解釈しました。
実は以前から彼の作品には何度か出会っていて、その中のひとつはMOMA(ニューヨーク近代美術館)で。
これを観て皆さんどう思われます?わたしは以前たまたまRED(小栗旬×田中哲治)というお芝居を観てロスコのことを知っていたので、なるほどと思いましたが、よほどのアート好きでない限りスルーしてしまいそうな作品にみえます。
しかし、この作品はオークションで97億円もの値がついたものです。
このあと横浜で 「モネ それからの100年」という展覧会があって、そこにロスコの絵が展示されていましたが、ほとんど彼の作品に足を止める人はいませんでした。
わたしは気がつきましたが、アート好きな長女でさえ気づきませんでした。普通はモネぐらいしか知らないですものね。
でなぜこの展覧会にロスコの作品がといいますと、モネは“光の画家“と称される印象派を代表する画家です。
オルセーでみたこの絵のように、同じ対象でも時間と共に変わる光そのものを表現していました。そしてその光と景色が織りなす色のグラデーションの中にいつのまにか自分自身が取り込まれていくような感覚になっていきます。
まさにロスコの絵を観ている私たちも同じように絵に包まれているような、、、深い瞑想の世界に入り込んでいくのです。
「芸術家とは才能がある者のことではない。永遠に完璧なものをつくれないと理解しながら完璧を目指し続ける者のことだ」
マーク・ロスコ
なぜ今ここでロスコなのか。
瞑想する絵画の前に立ち、心に沈み込む澱をゆっくりと浄化している自分を思い描いている。
それがわたしにとって祈りにも似た行為なのかもしれない。
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