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お客様は神様ではない

お客様は神様か

近頃、カスタマーハラスメントが社会問題化してきているが、これは昭和36年頃、歌手の三波春夫さんがある地方公演で口にした「お客様は神様です」というフレーズが、いつの間にかお客の立場を過剰に強く表現する言葉として使われるようになったのが発端になったと言われている。

三波さんは自分の芸について求道者のように厳しい方で、「歌う時には、あたかも神前に立って祈る時のように雑念を払ってまっさらな心にならなければ完璧な芸はできない」という信条だったのだとか。それで“お客様を神様とみて、神前で祈る時のような気持ちで唄を歌う“これが「お客様は神様です」の真意だった。それがいつの間にか『お客様=神様』という誤解されたカタチで広まってしまったようだ。

たとえば、飲食店でお客が「こっちはお金を払う客なんだから丁寧にもてなすのが当たり前。お客様は神様でしょ?」という風になり、クレームをつけるときなどには恰好の言い分となってしまっている。しかし、お店側からすると「お客様は神様だから、お客は何をしたって良いっていうんですか?』ということになってしまう。

もちろんその時々の状況で受け止め方は様々だと思うが、他人に期待することが日常になっている人ほど、期待しないメリットを考えたことがないのでは?と思ってしまう。

意識しないと見過ごしてしまいがちだが、期待をしないことには実は多くのメリットがある。

初めてフランス旅行をした時のこと。

以前スペインに短期留学した娘①が、経由地のシャルル・ド・ゴール空港(フランス)で職員からわざとフランス語で対応されて嫌な思いをしたことがあったとか、東日本大震災の時、知り合いの姪御さんがフランス人男性と結婚していたのだが、災害が起きるやいなや妻子を置いてひとり帰国してしまい、その後音信不通になってしまったとか、娘①の大学の同期のレバノン人の彼氏(母国語はフランス語)も、震災と同時に逃げるように去っていったとか…正直なところフランス人に対してはあまりいい印象を持っていなかった。

まあ実際のところ、あちらの在留邦人から聞けば人種差別は相変わらずのようだし、それと移民問題と絡んで日本人も少なからず憤りを感じる場面は多々あるに違いない。

なので、わたしたちは最初からフランス人って元々個人主義だし、冷たい人が多いと期待していなかった。だがたまたまわたしたちは運が良かったのか…慣れない異国で困っていると、道行く人が親切に声を掛けてくれて、英語で、『今日この教会は臨時休業だよ』と教えてくれたり、レストランのメニューを見ながら何を頼んでいいか分からないでいたりすれば、『これがお勧めだよ』とギャルソンが英語で教えてくれたりと何ら困ることはなく楽しくすごすことが出来た。

Fondation Louis Vuittonでランチ

おかげですっかりフランス贔屓になって、帰りの機内でママ友と、『いつか南フランスに行ってみたいね』などと盛り上がっていたことを昨日のことのように覚えている。

もちろんこれは、本当に現地の人に親切にされたからということもあるが、最初からフランスという国やフランス人に対して過度な期待をしていなかったことも幸いしたと思っている。

逆に、最近同じ日本に住む日本人のブログを読んで『それって過度に期待しすぎじゃない?』と思うことが多々あり。

『店員の笑顔が足りない』、『長時間待たされた』、『以前と味が違う』、『接客態度が悪い』などなど。

そしてこんなニュースもあった。

人気の二郎系ラーメン店が客とのトラブルをSNS上で公開、物議を呼んでいる。2人で来店しながら注文はラーメン1杯のみという客に対し、店側は「大人は1人1杯」「当たり前のお願い」と口論に……。一体何があったのか。埼玉・川口市に店を構える「麺屋 桐龍 東川口本店」の店主に詳しい話を聞いた。

「先ほど13:41に来店頂いた30代前後のカップルの方 大人は1人1杯です。この当たり前のお願いを聞いて頂けず、興奮し。返金対応もしておりませんが、そのお願いも聞いて頂けず、返金対応で帰られましたが。もう、今後はご来店頂かなくて大丈夫です」  店の公式SNSによる今月18日の投稿には、昼時に来店したカップル客とのやりとりの詳細がつづられている。一連の投稿では、客側が過去に在籍していた従業員の名前を出し、「○○の時はできただろ」などと高圧的に迫る様子があったとしつつ、「今までできたことはありません。皆様にご理解頂いております。何度もご来店頂いているようですがもう来なくて大丈夫です。カメラにも映っており確認できております。その場に居合わせたお客様、不快な思いをしすみませんでした」と結んでいる。  

投稿は1400件を超えるリポスト、7000件以上の“いいね”を集めるなど話題に。「飲食店なら一人一品、ラーメン屋なら一人一杯なんて当たり前だろ」「これはどの飲食店でもそうだけどワンオーダーは流石に常識」「店のルールに従えない奴は出禁でいいよ。客と店は対等な関係」「シェアしてえならフードコートとか行け」など共感の声が多数寄せられている一方で、「入り口に書いてあるんですか? この世の全てのラーメン屋が1人1杯が常識ではありませんよ」「なぜシェアしたら駄目なのか」「飲んだ後の〆のラーメンに連れて行かれた時はラーメン食べれないので、1人でチューハイにメンマ頼んでました。迷惑なのかな」といった意見もある。

ラーメン店の店主はENCOUNTの取材に「うちは二郎系のカウンターのみのお店で、回転率が勝負。ミニラーメンは890円ですが麺も肉も一般的なお店よりはるかに多く、トッピングも無料で増やせるバイキングのようなスタイルです。小学生までは無料のラーメンも提供していますが、大人は1人1杯が当たり前だと思います」と説明。トラブルとなった客は「さっき飯食ってきて、腹減ってないから」などと言い、1杯分の食券しか購入しなかったといい、結局購入した食券分を返金し、ラーメンを提供することなく退店をお願いしたという。 「10年くらい前に当時高校生でバイトしていた従業員の名前を知っていたので、昔から来て頂いているお客さんかとは思いますが、ラーメン1杯を複数人でというサービスをしたことはありません。今回は女の子の前でカッコをつけたかったのか分かりませんが、ちゃんと1人1杯を注文していただけるのであれば、また来てもらっても構いません」と話している。

Yahoo! News

価値観は人それぞれだとしても、二郎に行ったことのある人なら分かると思うが、それほど広くもないカウンターのみの座席数も少ない店内で、ラーメン一杯を2人でシェアして、写真撮ったり撮られたり、のらりくらりとされていたら堪らないでしょう。いくら馴染み客でも、ここは会話もそこそこに、ささっと食べて立ち去るのがマナーというものだろう。

否、食事は家族や店主との会話を楽しむものだから云々などと仰る方もいらっしゃるかもだが、それを回転率が勝負のお店に求めるのは酷というもの。

確かに、二郎のラーメンは量が多いで、女性なら『小ブタ』の麺半分でお願いすればいいかもしれない。そして水はセルフサービスで、ドリンクは持ち込み自由。店の近くに黒烏龍茶の自販機があり、購入する人が多い。ラーメン二郎はコッテリとした脂と向き合う食べ物なので、口の中がさっぱりするお茶を飲みながらの方がいい。

ラーメン二郎にて

そういえば先月娘②と『しげ』でお寿司を食べた時に、「ある伊豆の温泉宿の伊勢海老が激しく不味かった」という話を聞いた。でも娘はそれで特に腹を立てている様子もなく、「でも温泉がめちゃくちゃ良かったんだよ」と嬉しそうに話してくれた。

わたしはそんな娘の様子をみて、幸せになる極意の一部を垣間見た気がした。温泉好きな彼女が温泉宿を利用する時、何よりも温泉の質を優先するので最初から食事に過度な期待を抱いていない。なので多少食事が不味くても、温泉が良ければそれで満足なのだ。

理想を言えば、温泉も食事もいいに越したことはないけれど、食事はある意味おまけだと思っていれば何も憤る必要もないのだ。

海外旅行をしていると、日本のビジネスホテルの朝食ビュッフェさえ野菜が豊富で素晴らしいと思える。日本人の食に関するこだわりは外国人からみるとちょっと異様に映ることもあるくらいだという。それが日本らしさと言えば聞こえはいいが…逆に日本人が海外に行った場合、あまりにもその思考に囚われてしまうと、旅行自体を楽しめなくなってしまうかもしれない。

まず東南アジアに行ったら生水やソフトドリンクの氷も口にしないほうが無難だろう。お腹を壊してその後の旅が台無しになってしまう可能性大である。そして、北米や欧州にいけば当然水はタダではない。なので、そもそもあちらでは外食は日常的なものではなく特別なものだから、家族や気のおけない仲間とゆっくり時間をかけて愉しむのだ。

ローテンブルグ ケーテ・ヴォールファールト

ならばそんな不自由な思いをしてまで海外旅行なんてしたくない。と思う日本人が増えてきてしまっていることが残念でならない。

だって旅行の楽しみは『食べること』だけじゃないし、地球は、狭い日本の国土から想像も出来ないようなダイナミックな自然や、古代文明の遺跡など、一生に一度は見ておきたい場所や建物や自然現象に溢れているのだから。

そして何より、わたしたち日本人が当たり前と思っている、日本の食文化、リーズナブルに楽しめる外食のレベルの高さが、実は“当たり前ではない“ということは、外に出てみなければ実感出来ないということなのだ。

フランクフルト レーマー広場にて

店側に過度な期待をかけ、自分の思い通りならないと、愚痴や不満ばかり垂れ流すカスハラ野郎たちって、大多数のお客からすると迷惑以外の何者でもないだろう。

味良し、雰囲気良し、接客も完璧を求めるのならそれ相応の対価を払わないと。お店だって慈善事業やってる訳じゃないんだから。

本日のマイガーデン

先日アイマサリの収穫をした。元が取れたかと言われると微妙なところだが、病気にも罹らずきれいな見た目なのでまずまずではないかしら。

そしていよいよ霜が降りてきて、元気だったケイトウが枯れてしまったので、新たに寄せ植えを作ってみた。

エリカと暴れていたシロタエギクを少し整えて、キンセンカと葉牡丹(白すずめ)、ガーデンシクラメン。ガーデンシクラメンは、夫がLINE登録をしたらサービスで貰ったらしい。その他の苗はそれぞれ100円だったので、とても安上がりだがなかなか華やかな仕上がり。

そして、これはカンナの球根を掘り出した跡地に、ジュリアンを3色と葉牡丹(白くじゃく)を入れ、シロタエギク、ヘデラで整えてみた。

そして今、大輪のクレマチスが咲いている。これはAmazonで4点セットで買った苗のひとつ。寒さに負けず咲き続けている。

ところで、風水では「植物が枯れるのは、悪い気を吸ってくれたからだ」と捉えるので縁起が悪いものではないと言われている。また、枯れてしまった植物をそのまま置いておくと運気が下がるので、『ありがとう』と言って新しいものと代えるといいと言われている。

確かにわたしもこれだけたくさん育てているので、枯れてしまうものもあるにはある。まず一年草は仕方がない。しかし、観葉植物や同じ野菜や草花を何度も枯らしてしまうのは流石に『悪い気を吸ってくれたから』と言い訳するのは無理があると思うし、少し厳しい言い方になってしまうが、それは植物が可哀想なので、もう少し植物について勉強してほしいと思ってしまう。

冬でも耐寒性のある植物たちは元気に花を咲かせてくれる。今は、この季節なりの美しさを感じられる庭になってくれたらいいなと思っている。

今日もお読みいただき、ありがとうございます。

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