スポンサーリンク

不遜なBBA

BBAは、文脈によって意味が異なる。

本来BBAは、

「Bachelor of Business Administration」の略で、経営学士を意味する学術用語を指す。

しかし近頃では、ネットスラングとして「おばさん」を意味するいささか侮蔑的な言葉として使われているのを多く目にするようになってきた。

どうでもいい話だが、わたしも大学の経営学部経営学科を卒業しているので、BBAのBBAだ(笑)

そんなオヤジギャグはさておき…わたしは、このBBA呼びは基本的には品がないので、普段使いはしていない。

ただ、今日の〇〇さんの記事を読んでいたら、あ、こういう人の言動をみて感じたもやもやを表すにはおあつらえ向きな言葉かもって。何事も、◯鹿とハサミは使いようっていうしね。

本日のモヤっとポイントはこちら。

途中一か所ヴィース巡礼教会に立ち寄る。ヴィースとはドイツ語で草原のことで、名前の通り草原の丘の上に建つ。
修道士が彫った質素なキリスト像が涙を流したという奇跡が噂になり、巡礼者が増えて建てられた教会。なんかよく聞く話だ。

外から見ると質素だけれど中は豪華絢爛、貝殻模様や植物の葉などの曲線モチーフを多用しやや過剰ともいえる装飾のロココ様式。
天井画は「天から降ってきた宝石」と呼ばれているそうで、ヨーロッパ随一のロココ装飾なんだって。奇跡は金になる。

信仰心があるわけじゃないから割ともう教会は食傷気味で、美しいし荘厳だとは思うんだけれどチラッと見ればもういいかなって気になる。

『奇跡は金になる』…いくら信仰心がないからと言って、これはキリスト教信者に対してとても失礼な発言だと思う。

確かに、文化、芸術、スポーツ…そして信仰にもそれなりにお金が掛かるのは事実である。

だが、あの豪華絢爛な装飾を一瞥しただけで、信仰心のカケラもない極東の蝦夷地に住むBBA如きが、『奇跡は金になる」なんて何を偉そうに言えるのか。

わたしも同じ日本人だが、こんなBBAが同じ民族かと思ったらなんだか嫌な気分になった。

というのも、あの『美しい装飾=金』という発想があまりに短絡的すぎる。確かに豪華な装飾にはお金が掛かるものだが、しかしいくらお金を掛けたとしても、あれほどの見事な完成度のロココ調装飾を他で見られないからこそ、この地には観光客や多くの巡礼者が訪れるのではないか。

hoto credit: Church of the Scourged Saviour aka Wies Pilgrimage Church (Wieskirche) – Steingaden, Germany via photopin (license)

そもそも、このヴィース巡礼教会、正式名称は「鞭打たれるキリストの巡礼聖堂」である。

そして、〇〇さんが仰るように「修道士が彫った質素なキリスト像」ではなく、1730年に聖金曜日の聖体行列のために、修道士たちによって作られた寄木造のキリスト像である。関節部分は麻布で覆われ赤い彩色が施されている。鎖に縛られ血と傷をもつ像の哀れな姿に動揺した信者たちは、聖金曜日が終わると修道院の屋根裏深くにしまい込んでしまった。

そして、1738年に信心深い農婦マリア・ロリーが洗礼の立会人としてここを訪れた時に、このキリスト像を哀れに思い自ら譲り受け、数ヶ月間熱心に祈りを捧げ、1738年の6月14日の夕刻に祈りを捧げたところ、突然キリストの像が涙を流した。この話が「涙の奇跡」という伝説となり、諸国から巡礼者たちがマリアの家を訪れるようになった。

1740年には牧草地の小さな礼拝堂が建てられ、マリアの家からそこに移された。その後も巡礼者が増え、一般からの浄財を募るなどして1745~1754年に新しい教会が建設された。

その時の大修道院長のガスナーはこの教会の設計を、ドイツ・ロココ(後期バロック)の完成者として名高いドミニクス・ツィンマーマンに依頼。彼は、この教会に全精力をかけて造り、完成してもこの教会の近くに自宅を建てて生涯ここで過ごした。

photo credit: Wies, Germany via photopin (license)

日本でも、三重県伊勢市にある伊勢神宮へ参拝する「お伊勢参り」は、古くから日本人の信仰の対象であり、江戸時代には庶民の間で大流行し、「おかげ参り」や「抜け参り」とも呼ばれ、多くの人々が伊勢を目指した。

お伊勢参りは、単なる観光ではなく、日本の歴史や文化、そして人々の信仰心に触れる貴重な体験となっている。

だがこれを指し、『奇跡は金になる』などという不遜極まりない発言をする人はいないよな?

キリスト教における巡礼とは、日本におけるお伊勢参りのような位置付けなのだから、それを一介のBBA如きが、軽々しく『割ともう教会は食傷気味で、美しいし荘厳だとは思うんだけれどチラッと見ればもういいかなって気になる。』なんてあまりにもキリスト教文化を冒涜しすぎだろう。ふざけるな‼︎

ちなみにわたしは、無宗教者ではあるが無神論者というわけではない。日本では、特定の宗教を信仰していない「無宗教」の人が多いが、これは必ずしも「無信心」を意味するわけではない。無宗教であっても、先祖を敬う気持ちや、宗教的な行事に関心を持つ人は多く、いわゆる“八百万の神“…文字通りには「800万の神」を意味するが、これは実際の数を表すのではなく、非常に多くの神々がいることを指す比喩的な表現。自然のあらゆるものや事物に神が宿ると考える“日本古来の信仰“に基づいている。

日本が誇る富士山などの山岳信仰もそのひとつの例であろう。あ、確かこのBBAは、「富士山にも興味がない」と言ってたな。なんでも北海道には羊蹄山があるから云々。え、でもでも、羊蹄山って“別名蝦夷富士“って呼ばれてませんでしたっけ?

確かに羊蹄山も美しいが、日本の美しい山は往々にして、“〇〇富士“と称されることが多い。そして、連なる山々(山脈)は、南アルプスや北アルプスなどと言われている。そういうことからしても、日本の山なら富士山が代表的な山であり、連なる山なら世界的にみてアルプス山脈が本家本元みたいなものだろう。

以前わたしと娘①がバルセロナに行った時、郊外のこれまた巡礼地として有名なモンセラートというところに行ったことがある。

モンセラートと黒いマリア像


モンセラートは、ノコギリ山の異名をもち、その名の如く、ギザギザとした山々が続いているのを特徴としている。昔、このあたり一帯は、湖だったようで、地殻変動による隆起でこのような奇怪な山々が出来上がったといわれている。

この奇妙で不思議な風景に魅せられた芸術家は多く、ガウディもそのひとりだった。

ガウディ作品としてあまりに有名なサグラダ・ファミリアは、ガウディがモンセラートからインスピレーションを受けて設計されたと言われているのでこの地を訪れたのだが、モンセラートの大聖堂の正式名称はサンタ・マリア・モンセラート修道院付属大聖堂。

その名の通り、ここはサンタ・マリア・モンセラート修道院付属の大聖堂で、アーサー王の聖杯伝説に登場するべネディクト会に所属している。聖杯伝説とは、キリストが最後の晩餐に用いて、使徒たちが十字架上のキリストの血を受けたといわれる神聖な杯の探索をめぐる中世ヨーロッパの伝説。

また、モンセラートで有名なのが、願い事が叶うと言われている「黒いマリア像」。

この地を訪れるまでは、そこまでの知識は無かったが、このマリア像に触れる為の長蛇の列に並んで、無事マリア様に触れ「お願い」をしたことは、多分一生の思い出になった。

そしてあのサクラダファミリアの一見よくわからないカタチが、このモンセラートの景色から影響を受けたのだということをはっきり感じ取ることが出来た。

サグラダファミリア


そして礼拝堂の椅子に座って、休憩をとっていた時、信者さんと思しき中年の女性が静かに感動の涙を流しているのを目撃した。

わたしは無信仰ではあるが、このような信仰心を目の当たりにすると素直に感動こそすれ、『奇跡は金になる』なんてゲスな発想はこれっぽっちも思いつかなかったけどなあ。

まあ、価値観の違いと言えばそれまでなんだが、真摯に信仰と向き合う人々のことを揶揄するような発言をする人間にだけはなりたくないと思ってしまった。

さてここでもうひとつ、〇〇さんの嘘?誇張をお知らせしておこうかしら。

阪急さんのスケジュールを見るとね。

[09:30]ホテル発。

【世界遺産1】プラハ市内観光(1時間30分)
○プラハ城 ○カレル橋 ○旧市街)へご案内します。

その後、チェスキークロムロフへ。(181km、約3時間)

【世界遺産2】チェスキークルムロフ観光(1時間)
○旧市街へご案内します

その後、ウィーンへ。(207km、約4時間)

[20:30]ホテル着。

とあってね。プラハ城もチェスキークルムロフも、入場観光無し。

つまりこのツアーで初めてお城に入場したのは、ウィーンのシェーンブルン宮殿からということになる。

え?それなのに、『割ともう教会は食傷気味で』って、入場もせずに前を通り過ぎただけで、食傷気味って、まるで〇〇さん、さして召し上がってもいないのに、腹壊し気味でと言って、買い食いクイーンを発動されてないのによく似てるわー(* ´艸`)

それとね、ドイツの“世界で最も美しい城ノイシュバンシュタイン城“だけど、外観は美しいけれど、最近ようやく世界遺産に認定されたことから言っても、内部は意外とがっかりだという感想をよく聞く。

その理由を集約すると以下の通り。

由緒ある有名な歴代王族が暮らした城ではなく、ルートヴィヒ2世がめちゃめちゃ城っぽい城を作りたいというロマン趣味のためだけに建設された見た目だけの城であること。

故に歴史なんかなく建造はわずか約100年前でしかもコンクリ製です。

要はディズニーランドのシンデレラ城と同じで、見た目はいいけど、中に入ると、え?っこれだけって感じになるところまでそっくりなのかなぁ(^_^;)

ちなみにわたしはまだ行ったことがないけれど、夫は行ったことがあって、そう言えば、この城については何も言ってなかったということが全てを物語っているのではないかな。

なので阪急さん、せめてプラハ城内の見学くらいさせてあげてよーwww

プラハ城の旧王宮内には、こんなふうに紋章がたくさん飾られていたり、本物の中世を感じることが出来るのよ。

プラハ城 旧王宮内部

そして〇〇さんが日曜のミサで入場出来なかったという聖ヴィート大聖堂もね、わたし今までいろんなところを訪れているけど、普通の教会ならともかく大聖堂ともなれば、建物の規模も大きいので、信者のミサのエリアに入れなくても、よほど大きな国家レベルの行事でもない限り、全てが入場不可になることはないと思うけど。それって、おそらく年に数回数えられるくらいじゃないかしら。

もちろん聖ヴィート大聖堂も入れないエリアもあったけれど、観光客が入れるエリアはほぼ全て撮影可だったし。むしろキリスト教の大切な精神である隣人愛、『他人を思いやり、助け合い、愛をもって接する。これは、家族や友人だけでなく、見知らぬ人や敵対する人にも向けられるべきとされている。』からしても、出し惜しみせず、広く皆に開放する精神をもって、訪れる者には等しく公開されているものではなかろうか。

そして、〇〇さんは知っているだろうか。ヨーロッパの教会はごく一部を除いて入場無料のところが多い。今回〇〇さんが訪れたヴィース巡礼教会も例外ではない。

無料で入場させて貰っているのに、『奇跡は金になる』って、不見識にもほどがあるというものだ。

今日もお読みいただき、ありがとうございます。

ランキング参加中です。ポチリと応援お願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村 主婦日記ブログへにほんブログ村 旅行ブログへ
PVアクセスランキング にほんブログ村
幸せのネタ帳 - にほんブログ村

travel
スポンサーリンク
この記事をシェアする
きょうをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました