神戸北野ホテルがある神戸市三ノ宮の北側•北野エリアは、明治〜昭和初期に建てられた外国人の旧邸宅・異人館が点在することで知られている。ホテルを出て坂道を少し上ると山本通りに。
坂に沿って街が広がる様子は、フランスのパリの「モンマルトルの丘」を彷彿とさせることから、北野・山本地区とパリ・モンマルトル地区は2005年に友好提携を結んでいるほど。パリに想いを馳せながら北野の高台から神戸の街を見下ろすと、さらに異国情緒も高まりそう。
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そこからさらに足を伸ばすと風見鶏の館と萌黄の館が見えてくる。こちらは2館共通券(650円)があり、単館で買うよりも200円お得になっている。
風見鶏の館
風見鶏の館は、このエリアを代表する異人館で、館のてっぺんにある風見鶏と赤レンガが目印の洋館。元々は、ドイツの貿易商・トーマス氏の私邸。国指定重要文化財で、NHK朝ドラ「風見鶏」で一躍有名に。
建物の設計に当たったのは、ドイツ人建築家 ゲオルグ・デ・ラランデ(G.de.Lalande)で、明治30年代後半から大正初期にかけて日本で活躍した建築家。
風見鶏はその名の通り、風向きを知る役目をもっているが、雄鳥は警戒心が強いことから魔除けの意味や、またキリスト教の教勢を発展させる効果があるといわれてきた。
この旧トーマス邸は、1階に玄関ホール・応接間・居間・食堂・書斎があり、2階には夫婦の寝室・子供部屋・客用寝室・朝食の間などがある。
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室内の意匠は、部屋によって変えられているが、全体にドイツ伝統様式を取り入れながら、19世紀末から20世紀初頭にかけてのアール・ヌーヴォーの動きを感じさせるものがある。
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1階各入口扉に付いている把手金具に、アール・ヌーヴォー風の装飾がつき、玄関ポーチの柱頭飾り、応接間のシャンデリア、書斎腰板の風刺画などにその傾向が伺える。
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また食堂は中世城館風の天井小梁、飾り戸棚、暖炉飾りなど見ごたえのある意匠を見せている。
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萌黄の館
萌黄の館は、明治36年(1903年)アメリカ総領事ハンターシャープ氏の邸宅として建築された洋館。 その名のとおり、萌黄色の外壁に包まれている。 2階のサンルームからは、神戸の美しい街並みが楽しめる。こちらも国指定重要文化財である。
駐神戸アメリカ総領事の住まいだったこの館は、イギリス人建築家のA・N・ハンセル氏が設計した「コロニアル様式」の外観が特徴。
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この館、昭和19年には神戸電鉄社長・小林秀雄の住宅となっていて、NHK連続テレビ小説の「べっぴんさん」のロケ地としても有名である。
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装飾の基本はバロック様式で、2つの異るデザインのベイ・ウインドーやモザイク装飾の階段など随所に贅沢な意匠が見られ、また日本の様式も散見される。
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風見鶏の館の西に位置するこの建物だが、風見鶏の館の重厚なネオ・バロック様式に対し、こちらは軽快な典型的コロニアル様式であるという点が非常に面白い。
うろこの家→スターバックスコーヒー 神戸北野異人館店
先にホテルブティックで買い物をしたツケがここで回ってきた。萌黄の館を見学後、この高台にあるうろこの家まで一気に駆け上がっていったものの、無情にもCLOSEDの文言が。
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ただしこの時点では閉館(平日は17時)10分前だったので、スタッフさん、ここまで来た労力を汲んでくれてもいいのでは?と思ったりもした。そしてやはり内心…旅先ではママ友の意見を尊重しすぎるのはあまり得策ではないと感じる。
だかしかし、18:30のディナーにはまだいくらなんでも早すぎる。ということで、登録有形文化財の異人館「北野物語館」において、2009年から営業中のスターバックスコーヒー 神戸北野異人館店で休憩することに。
ここは、スタバとしてはもちろん、国内外の観光客に人気の観光スポットとしても有名。実際この時も平日の中途半端な時間だったこともあって、お客さんの大半は外国人観光客。まるで外国のスタバに来ているかのような雰囲気だった。
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北野物語館は、1907年に建築された木造2階建ての住宅で、建築当初は米国人が所有していた。その後、所有権が何回か移り、最後はドイツのパン職人、ハインリヒ・フロインドリーブ2世が所有したことでも知られている。
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実はこの建物、1995年、阪神淡路大震災で全壊認定を受けたため、取り壊される予定だった。しかし建物の寄贈を受けた神戸市が解体、部材保管した後に、民間事業者の手で2001年に現在地に再建・移築し、竣工当時の姿を見事に復元したものである。
移築前と比べると、土地の形状に合わせて建物の向きが変わっているが、解体中に判明した建築当初の造りが忠実に復元されている。
さて、そろそろ充電も完了したので、坂を下って今夜のディナーを予約をしたレストランに繰り出すとしよう。
ホテルチェックイン時に、もうひとつ特別なオファーがあった。
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ただ残念なことに、もう既に他のステーキ店に予約を入れていたのでここに行くことは出来なかった。
しかし、このあと、この時の残念な気持ちが瞬く間に消え去るような素晴らしいディナーを体験することになるのである。
それはまた別の記事で。
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