大豆田とわこを観ていたら、速報テロップで、田村正和さんの突然の訃報が。
そして、ドラマの中でも、とわこの親友かごめが心筋梗塞で亡くなった。
田村さんの現実の死も、フィクションの登場人物のそれも、どちらも受け入れ難く衝撃的で、どちらが現実か現実でないのかわからないくらい驚き、胸が痛くなった。
思い返せば、前回たくさんのフラグがたっていたことに気付かされる。かごめが急に漫画を描き始めたり、穴の空いた靴下の一件で八作の思い人が紛れもない彼女なんだと、とわこが気づいてしまったり。
最後の最後、彼女のために新しい靴下を買っていく八作、そして、、、パーカーの片方だけになった紐を元に戻してあげたとわこ。
あまりにもあっけなく永遠に手の届かない領域に逝ってしまったかごめ。もうどんな後悔も彼女に追いつくことは出来ないのだ。
そして3人の元夫たちのそれぞれの別れも、それぞれに噛み合わないもどかしさと、、、共感とかそういったひとことで言い表せられるような感情とも違って、人と人の心のすれ違いはほんの些細な部分からほつれていくものだとジーンとさせられた。
こうやって書き連ねてみると、昔から好きな俳優だった田村さんの死も悲しいけれど、今はリアルで動いているドラマの登場人物の死のほうが身近に感じているのだから不思議だ。
おそらく田村正和って人は、現実に居ながらにして、非日常を感じさせる稀有な存在だったのだろう。
私生活を晒したり、バラエティ番組で素顔を見せるような現代の俳優さんたちとは明らかに違っていた。
最後まで静かにひっそりと、俳優田村正和という役柄を演じて、この世から退場していったのだ。
現実生活で何のご縁もないけれど、彼のように最後まで自分の美学を貫いて逝けたらいいなと思うし、そんな生き方に憧れを感じずにはいられない。
葬儀が終わって、いよいよ車が出発するとき、、、
「かごめー」と叫ぶとわこ。
このシーンが良かった。まるでご贔屓の役者の屋号を叫ぶ大向うを彷彿とさせる。
さすが、松たか子は、歌舞伎の世界のひとだけのことはある。こういった言葉にならない”間”が素晴らしい。
ということで、今夜は、田村さんとかごめさんを勝手に偲んでいました。
おふたりとも安らかにお眠りください。
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