今回も昨日に引き続きアートツアーの模様をお伝えします。
結婚式といえば、実はわたしとじいは記念写真を撮ったぐらいで、バブル期にしてはかなり珍しい地味婚でした。新婚旅行もしませんでした。これってある意味時代を先取りしていたのかもなんて、、、今でも特に誰かの挙式が羨ましいとかそういう感覚は全くないです。
それから長女が結婚した時は、お相手の実家が三重県で、その子をとても可愛がって下さっているおばあさまが高齢だったこともあり、本当の身内だけのアットホームな挙式と披露宴を、伊勢神宮にほど近い猿田彦神社でとりおこないました。
これは学生時代から神社仏閣巡り大好きな娘のこだわりの結婚式でした。親のわたしがいうのもなんですが、それはそれはステキな結婚式でした。しかしだからと言ってその模様をお伝えするような野暮なことは致しません。
わたしの大切な子供たちの結婚にまつわる話は、自分の心の中にだけとどめておくべきと思うからです。そしてそれがわたしなりの親心なのかもしれません。
ただ結婚式に関してはいろいろな考え方があると思うので、こうあるべきという考えは人それぞれでよろしいのではないでしょうか。
な〜んて前置きを呟いたのも、雅叙園の5階フロアの廊下を歩いている時に、あーそういえば、娘も神前結婚だったなぁと懐かしい記憶がよみがえってきたからです。
廊下を進んでいくにつれ、自然と厳かな気持ちになっていくから不思議です。
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前回のアートツアーの中でも何度も登場してきた組子細工ですが、これも釘はもちろん糊も使用していない紛れもない芸術作品です。
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そしてこれをそのまま誰もが見られるようにしているのが凄いことだと思います。また残念ながら今、これを修復できる職人さんも少なくなってきているようです。
ホテル雅叙園東京には 天穂殿と大巳殿と2つの神殿がありまして、ご神体は縁結びで名高い出雲大社。ここで日本の伝統が息づく本格的な神前式が行なわれています。
写真は天穂殿の前室(挙式前のつなぎの間)と呼ばれる場所です。周囲は新郎新婦や将来に向けて縁起のいい絵に囲まれています。
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こちらが 大巳殿の前室です。実は ホテル雅叙園東京において 一番大きいとされる壁画はここにあります。
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なのでこの大巳殿に参列した人か、このアートツアーに参加した人しかこの壁画の実物を見ることはできません。
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そういう意味でいうなら、前回の和室宴会場と大巳殿の見学自体、平日の宿泊者限定アートツアーの参加者だけの特別な体験と言えます。
どこかのカード会社のCMではありませんが、、、これこそがまさに“プライスレスな体験“なのではないでしょうか。
少し話がそれてしまいました。また大巳殿の話を続けます。
こちらが 大巳殿の神殿内です。新郎側の壁には大海原に羽ばたく 縁起の良い鶴が壁画で表現されています。こちらの大巳殿は この壁画に圧倒されます。
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このブログを始める前の年に出雲大社に行ったことがあります。
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こちらにはあの“因幡の白兎“にちなんたうさぎの石像をたくさん見かけます。全部で60羽以上にもなるそうです。
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あ、だからでしょうか、雅叙園にも金色のうさぎさんがいましたね。
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宴会場の“千と千尋“といい、ご神体の出雲大社にちなんだ金色のうさぎといい、どこを取ってみてもエピソードがありすぎて、いちいち立ち止まらずにはいられません。
そして今回感じたことですが、こちらで結婚式をされたり出席された方々も素晴らしい体験をされたことは間違いないですが、このホテルに宿泊し、アートツアーに参加することもまたなかなか有意義な体験だと思いました。なぜなら式の当日は、新郎新婦、参加者共に少なからず緊張の時を経て、披露宴が終わるまで、これらの装飾をひとつひとつをみる余裕などほとんどないと思うからです。
そういえば、よく海外のツアーなどでショーを観ながら食事をするオプションが用意されていたりするのですが、ワンドリンクぐらいならともかく食事は観劇前に済ませておくことをお勧めします。やはり何かをじっくり鑑賞しようと思うなら、他のことに気を取られるのは勿体ないです。しかもこういったオプションでついてくるような食事の設定は割高なことがほとんどなので。
かなり脱線気味な展開になってまいりましたが、ここでようやく1階のレストランエリアまで降りてきました。このエリアであればホテルに来てレストランでお食事をすれば見ることはできるでしょう。
まずは日本料理の渡風亭へ。
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茅葺きの建物がなんとも風情があります。ガイドの方に聞いたところ、これは実は茅葺きではなくグラスファイバーとのことで 定期的な葺き替えは必要ないそうです。
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こちら渡風亭では、基本的にグループ毎に個室が用意されて、その個室をいくつか見せていただいたのですが中でも特に目をひいたのが写真のお部屋です。
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こちら部屋の壁全面が、今回何度も登場してきたあの螺鈿細工が施されていまして、もしここでお食事なんてことになったらこのアートに圧倒されて料理の味が分からなくなってしまうのではないかと思いましたよ。
その他の部屋も部屋全体がひとつの宝箱のようになっています。
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京都の「川床」を彷彿とさせるような風情があります。こんなところでお食事をするのが似合う大人になりたいです。
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こういう場所には間違っても今流行りのミニ扇風機など持ち込んだりしたくないです。結局使う場面はありませんでしたが、前回百段階段の企画展で入手した夢二の黒猫の扇子を鞄に入れて持ち歩いてました。
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つぎは、中華料理の「旬遊記」です。この宴会場は日本の近代建築において重要なジョサイア・コンドル氏の建築によるものです。
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彼の作品としては鹿鳴館もありますが、それほどのレベルの場所で今も宴席ができるということが凄いと思いませんか?
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こちらの個室は、旧目黒雅叙園から移築、復元された再現室です。文化勲章受章者・堅山南風による壁画や天井を彩る装飾は昭和モダニズムの香りに満ち溢れ絢爛豪華な雰囲気を醸しだしています。
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こちらは、美人画の大家・益田玉城の「美人花笠踊の図」に包み込まれた艶やかな個室。扉や幅木、戸枠は朱漆塗りを施しています。現存する最古と言われる回転テーブルのあるお部屋です。
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ちなみに、この絵に描かれている女性の顔ですが、全て玉城氏の奥様をモデルに描かれているとか。
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これよ〜くみると、 所々に穴が空いているような黒い部分がありますよね?これは、タバコの吸い殻が落ちた跡だそうです。今は禁煙となっていますが、かつては宴席中に喫煙ができたので その際にタバコが落下して螺鈿細工に穴が空いてしまったのだとか。
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歴史を感じさせるのと同時に、これだけの芸術作品がと思うとちょっと複雑な気持ちになります。
さて、本当はこのあと現在開催中の百段階段の企画展の模様もお伝えしようかと思っていたのですが、今回もあまりにも内容が濃すぎて、おそらく食傷気味になると思いますので、これまた次回にお伝えしたいと思います。
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