釧路湿原とは
そもそも釧路湿原とはどんな場所なのか?
ここは北海道東部に位置し、28,788haの面積を誇る日本最大と言われるほど広大な湿原。そのうち7,863haは、ラムサール条約に登録。湿地の生態系保護を目的として、さまざまなルールが定められており、手つかずの自然や動植物、他では見られない雄大な景色を間近に感じられる道東の人気観光スポットである。
湿原には多くの貴重な動植物が生息しており、絶滅危惧Ⅱ種に指定された国の特別天然記念物タンチョウをはじめ、オジロワシやキタサンショウウオ、イトウ、エゾカオジロトンボなど絶滅危機に近い希少な動物を確認できる点が特徴。
また湿原の約80%にはヨシやスゲが広がり、日本の原風景を思い起こさせる美しい光景が広がる。
この湿原を最大限満喫するための楽しみ方としては、展望台に行ってみたり、それに続く遊歩道を散策して動植物を観察する、くしろ湿原ノロッコ号に乗る(4月下旬~10月の期間限定で運行)、そして本日紹介するカヌーツアーに参加するなど、さまざまな方法がある。
今回この記事を読んだ皆さんが少しでも釧路湿原の素晴らしさを知っていただければ幸いです。
カヌーツアーに参加してみた
今回お世話になったのはBLACK RIVERさん。
わたしたちが参加したのは、釧路湿原を流れる広く穏やかな川を塘路湖から出発して細岡まで湿原に吹く風を感じながらのんびりカヌーで下っていく標準コース。
あとから振り返ってみると、今回の旅の中でこのカヌーツアーが一番印象深いものとなった。
幸先よく雨上がりの虹が掛かってみたり、あまりに突然で映像に残すことはできなかったが、天然記念物のクマゲラの飛ぶ姿と、鳴き声を聴くことができた。
クマゲラの生息数は本州に100羽程度、北海道に500羽程度と推定されていて、人に慣れていないクマゲラを撮影したりする事は本当に難しいと言われており、野鳥好きがウォッチングする為に山へ入っても人を見ると木の裏などに逃げ隠れてしまうのでなかなか見る事が出来ないのだとか。
水の色はミズゴケの色。
湿原特有の変わりやすい空の色は、まるで一瞬たりとも止まらない時を刻むかのようにさまざまな表情を水面に映し出してくれる。
これってどこかで見たことがあるような…そうだ、フィンランドの森を散策した時にみた湖の色だ。
釧路湿原…綺麗なんだろうなあと漠然と思ってはいたけれど、カヌーから見た景色は、言葉で言い表せないぐらい美しかった。
いや美しいなんてなまやさしい言葉では足りない。畏れおおいというのか、とにかく神々しいまでに光り輝いていた。
わたしは、この景色を目の当たりにして、人はパンのみにて生くるものにあらずの何たるかを知った。
確かに、お腹いっぱい食べる幸せもあるだろう。だが人間は考える葦であるから、物質だけではなく、精神的にも満たされて初めて本当の幸せに辿りつけるのではないだろうか。
誰かが決めた豊かさや華やかさや話題性でしか物事の価値を判断出来ない人は、本当は虚しい人なのかもしれない。
おーなんて素敵な偶然だろう。この葦(アシ)の別名は『ヨシ』。つまりこの湿原に広がる水辺の植物のことを指している。
そして今日は、エゾジカも飽きるほど見て、オジロワシや、タンチョウや、アオサギを見て、シジュウカラの鳴き声を聴いた。
それからタンチョウの姿を捉えた時は聞こえなかったが、少し離れたところで、タンチョウの大きな鳴き声まで聴くことが出来た。タンチョウの鳴き声は想像以上に大きくてびっくりした。
ガイドさんはたいへん博学な方で、わたしたちは湿原に棲む鳥や動物や植物の話をたくさん教えていただきました。
午前中の乗馬体験もプライスレスだったが、この釧路湿原のカヌーツアーは、是非一生に一度体験してみる価値あるアクティビティだと自信を持ってお勧めしたい。
旅はまだまだ続く。
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