本阿弥光悦の大宇宙
過日当ブログでお伝えした本阿弥光悦の大宇宙に行ってきました。
せっかくなのでここでママ友と、少し遅い新年会をしようと、銀座のとあるフレンチでランチの予約をしていましたが、たまたま一休.comで先日娘と伺ったばかりのマンダリンオリエンタル東京のメインダイニング(シグネクチャー)でお得なプランの案内を見かけたので急遽そちらに変更しました。
そして当日、東海道線のグリーン車内、品川を過ぎた辺りで、ふと思い立って地下鉄銀座線の三越前に行くことにして、マンダリンオリエンタルのショップに向かい、せっかくなのでKUMOの整理券をゲットして、それから上野に向かいました。
最近テレビの情報番組をほとんど見ないので知らなかったのですが、このKUMOって『マツコの知らない世界』で紹介された逸品なのだとか。
せっかく都心まで出掛けてここでランチをするのだから、先に整理券をゲットして帰りにこれを手土産にして帰るって何となく素敵な気がしました(^^)
上野へは同じく銀座線に乗っていけば6分ぐらいで到着です。
館内は撮影不可なのでこれ以上画像をアップすることは出来ませんが、わたし的にはむしろ鑑賞に集中することが出来て良かったです。
「一生涯へつらい候事至てきらひの人」で「異風者」(『本阿弥行状記』)といわれた光悦が、篤い信仰のもと確固とした精神に裏打ちされた美意識によって作り上げた作品の数々は彼がいかに天才であったか如実に語りかけてくれます。
家業である刀の目利き、漆芸、書、陶芸、そのどれもが一級品。特に独創的な漆芸品はデザインと技術がどちらも素晴らしいのです。
以下画像は、東京国立博物館のサイトよりお借りしました。
書は、俵屋宗達の下絵とのなんと豪華すぎる競演でしょうか。どちらも巻物から飛び出してくるような躍動感に溢れ、かつ美しいのです。
楽焼茶碗も彼ならではの、ふれたら切れてしまうぐらいのではないかというぐらいの鋭さを放っています。
そして今回は初めて刀剣鑑賞の世界に足を踏み入れてみたのですが、刀剣ひとつひとつの刃文にひとつとして同じものがなく、あの紋様が、時に夜空に降り注ぐ星のように、またある時は、朝日に映える山の峰々のように、みる者の心を投影するような奥深い世界に誘ってくれるのだと知りました。
志津兼氏(しづかねうじ)は地鉄(じがね)と刃文(はもん)を強調した作風で名高い刀工。本作は光悦の指料(さしりょう)と伝わる唯一の刀剣で、注目は茎(なかご)にある花形見の金象嵌です。そして、拵(こしらえ:刀身をおさめる刀装)は鮮やかな朱漆塗りの鞘(さや)に金蒔絵で忍ぶ草を全体に表わした華麗なものです。花形見の金象嵌と忍ぶ草の金蒔絵、その言葉や意匠の意味を読み解くと、光悦の秘めた想いがみえてきます。
東京国立博物館サイトより
マンダリンオリエンタル東京 シグネクチャー
ミュージアムショップで小1時間ぐらい悩んでお土産選びをしたあと、予約には少し早いのですが、本日のもうひとつの楽しみの場所に向かいました。
マンダリンオリエンタルと言えばあの扇のマークが印象的です。
本日伺ったのは、マンダリンオリエンタル東京 フレンチファインダイニング『シグネクチャー』です。
チャイルドポリシー:10歳未満のお子さまは、個室でお食事をお愉しみいただけます。
ドレスコード:「シグネチャー」ではカジュアルエレガンスの服装をお願いしております。野球帽、タンクトップ、ハーフパンツ、カジュアルサンダル、ビーチサンダルのご着用はお控えくださいますようお願い申し上げます。男性はジャケットまたは、シャツのご着用をお願いいたします。
ダイニング公式サイトより
10歳未満のお子様の利用は個室のみ。カジュアルエレガンスの服装ということですが、男性はジャケット着用、女性も極端な露出のある格好でなければ大丈夫でしょう。
まずは、ドリンクのオーダーから。
このあと、2次会を予定しているのでアルコールは我慢。ここは無難にスパークリングのミネラルウォーターをオーダー。にしてもお水もホテル価格でございましたw
レモンかライムはいかが?とお勧めされたのでわたしはライムをお願いしました。
本日のメニュー
前菜、肉料理は2種類あってどちらかを選びます。
そもそも「アミューズ」とは?
「アミューズ(amuse)」は、「楽しませる・お楽しみ」という意味を持ち、英語とフランス語の両方でスペルと意味が同じです。
正確には、「アミューズ・ブーシュ」と呼ばれ「口を楽しませる」という意味が込められていて、シェフがおもてなしの気持ちを込めて提供される料理で、通常は食前酒とともに提供されます。
アミューズがコースの最初に提供されるようになったのは、意外にも最近のことです。
1980年代に「ヌーヴェル・キュイジーヌ(革新的なフランス料理)」が興った際に、フランスのシェフたちは日本の和食の「先附」からヒントを得て、料理の前に小さな楽しみを提供するアイデアを取り入れました。
これが「アミューズ(口を楽しませるもの)」として知られるようになったのです。
「アミューズ」は基本的に出されたものをそのまま食べれば問題ありません。
まずはじめに食前酒をオーダーし、お酒を飲みながら料理を決めますよね。
日本では、料理をオーダーしてからアミューズが出てきます。
フランスだと食前酒を飲みつつアミューズを食べ、料理を決めることが多いです。
料理を注文してアミューズが運ばれてきたら、ナフキンを膝にかけます。
あまり気にする必要はありませんが、フランス料理ではナフキンをとるのが早すぎると「料理はまだか」のサインになってしまうので、頭のすみに入れておいてもいいかも。
料理が運ばれてきたタイミングでナフキンをとっても、全く失礼ではありません。
アミューズは手でつまんだりスプーンのまま口に運んだり、グラスに入っているものをスプーンで食べたり、食べやすい食べ方で構いません。
アミューズを食べるときは、基本的に左右に置いてあるナイフやフォークは使いません。
アミューズ専用のカトラリーが提供されるか、手で食べるかが一般的です。
フォークレストが置いてある場合は「コース全体をそのカトラリーひと組で済ませてね」という意味です。
アミューズを摘んだあと、パンとバター類が提供されました。こちらは意外なことにお代わりOKでした。わたしは全種類頂きましたが、ママ友は2種類に留めました。
こちらはフランス産の無塩バターと塩、カンボジア産のコショウです。
フランスを旅行して一番驚いたのが、そのバターの美味しさ。これは現地に到着したその日の夜、オイスターバーで食事をした時の画像ですが、どんな食事にも必ずバゲットとバターがセットでついてくるのですが、この時頂いたバターの美味しさに感動し、もうそれだけでフランスに来て良かったと思ったぐらいでした。ちなみに手前に映っているのは、マテ貝のソテーですが、これが本当に美味しくてワインによく合うのです。
などとパリの思い出に浸っている場合ではありません。
こちらがわたしが選んだ前菜。
葱なのであっさりかと思いきや香り高いトリュフソースとの相乗効果なのか葱とは思えない満足感でした。
こちらがママ友が選んだ前菜。お互い少しずつシェアして頂きましたが、パテアンクルートは濃厚なフォアグラの風味が絶品で、赤ワインを飲みたい誘惑に駆られまくりました。
こちらサーモンのパイですが、写真では伝わりづらいかもしれませんがボリュームたっぷり、鰻ソースが濃厚でこちらもワインが欲しかったです。
サーモンの満足度が高すぎて、正直鶏胸肉はどうかと思っていましたが、いい意味で期待を裏切られました。こんな美味しい鶏胸肉を今まで食べた記憶がありません。スタッフさんの説明によると、この鶏肉は2時間かけてゆっくり調理したのだそう。
冬の柑橘…日向夏とせとかそのままでも美味しいのに、このレモンのアイスクリームがどうしてこんなに美味しくなるのでしょうか。
もうこれで満足と思っていたら、まだカフェとブティフールがありました。
これ、全然おまけじゃなーい。リキュールのきいたフィナンシェと、クッキー生地の台にフロマージュホワイトチョコでコーティングしたプチケーキ。
ママ友もわたしもそれなりに主婦歴が長いので大概のものは作れると思うけれど、今日の料理はどれひとつとして作れる気がしないぐらい、確かな技術に裏付けされ、且つ独創的な発想も垣間見えるというのか…やはりマンダリンオリエンタルのメインダイニングだけのことはあります。
ちょっとこれは思っていた以上に次元が違いすぎました。
2人共あまりの素晴らしさに感激したので精算時にその旨をお伝えしたところ、シェフさんが挨拶に来てくださいました。
この方まだ36歳とお若いフランス人の方でした。めちゃくちゃ背が高くてとても素敵♪日本語もとてもお上手でした。
最近神様はいろいろ不公平だと思います。あの大谷選手も見た目も爽やかでカッコよくて、ものすごく野球の才能があって、とても優しそうですよねー。
そしてこの若いフランス人のシェフさんも素晴らしい料理の才能に恵まれ、こんなにイケメンでカッコいいのです。そればかりか、ここに初めてきたフツーのおばさん2人に挨拶に来てくれるなんて… なんて素敵な心配りの出来る方なのでしょう。
こういう人たちが天から二物も三物も与えられている人なんだと思います。
さて、今日はこの辺で。
続きはまたのちほど。
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