北海道2日目
旅の2日目。連日の早起き(午前3時起き)続きで運転する旅友の疲労度が心配なので、チェックアウトの時間を少し遅めに変更。
参考までに3年前の旅行記を見返してみると、前回はタワー2に泊まっていたことと、やはりいくらは盛り放題だったことが分かった。
まぁしかし、36階の最上階、メゾネットタイプの2ベットルーム、ジャグジーにサウナまでついた贅沢なお部屋を使わせて頂いて…この建物が建てられたバブル時代を懐かしむなんてなかなか出来るものでもないので、これはこれで得難い体験だ。
さて、前回よりはややパワーダウンした朝食ブッフェとはいえ、元よりわたしの胃袋は更に小さくなっているので、昼食をがっつりいけるなどとは思ってもいない。
ということで、次の目的地の釧路に向かいながら走ったのがこちら。
北海道ガーデン街道: 真鍋庭園
2009年、北海道の中央を南北に走る250kmほどの道が、北海道ガーデン街道と名付けられた。
一般的に「北海道らしい風景」として思い浮かべられるのは、北海道の中でも美瑛、富良野、十勝に代表される大自然。旅番組などでも、『北海道』とテロップで紹介される際の風景には、これらの3エリアの映像が使用される場合がほとんどだ。
ガーデン街道は、そうした十勝、富良野、美瑛を通り、動物園で注目を集める旭川、温泉で有名な上川町までを結ぶ。
ここで一番のポイントは、この道があらゆる観光地を結ぶための単なる通行路ではなく、『この道自体が観光スポット』と呼べるほどに魅力的なロケーションとなっていること。
移動中も自然を満喫しながら、各地のガーデンも楽しめるという唯一無二の贅沢がここにある。
そして真鍋庭園…ここは、北海道ガーデン街道の見どころのひとつ。
ガーデン街道の中でも、特に個性的なガーデニングが行なわれている庭園として知られている。その姿は「おとぎの国のよう」と称されることもあるほどに、メルヘンチック。
1966年から60年近くこの地で営まれている真鍋庭園には、実に1,000品種を超える植物のコレクションがある。その個性あるガーデニングもさることながら、植物園としても魅力ある施設として、道内外の方々に愛されている。
現在ここには、NHKの朝ドラ『なつぞら』のロケセットが移設、展示されている。というのも真鍋庭園の畑(非公開)でも撮影されたのだとか。
ロケセットに気を取られているとつい見落としてしまいそうになるくらい、さりげなくアーティスティックなオブジェが展示されている。
日本庭園
近づいても離れても、どこから切り取っても美しい。これぞプロフェッショナルのなせる技とでもいうのか。いまほんの少しだけ園芸を齧ってみると尚のこと、造園技術の凄さに圧倒されるばかりだ。
この静かで厳かな佇まいは、世阿弥が残した『秘すれば花』という名言がいかにも相応しく感じられた。
秘すれば花
『秘すれば花』とは、世阿弥の風姿花伝と著書の1フレーズ。
秘すれば花なり、秘せずは花なるべからず
(秘密にして隠すから花となる、隠さないと花にはならない)
直訳した部分だけ見ると、「何でも表に出すより控えめに慎ましやかな方が美しい」という意味になるが、花伝書の中ではさらにこう続く。
芸の流派には秘事があり、一般に公開しないから価値が上がる。公開するとさほど意味が無くなるものである。
秘事がたいした物ではないと思う人は、本当の効果を知らないのである。
つまり、隠している物自体はそれほど重要ではないけれど、隠すことによって何か効果が生まれると説いている。
さらに読み進めると、
はじめから珍しい物を披露すると言うと、観客はそれを期待するのでさほど驚かないが、何も知らせずに突然珍しい物を披露すると、観客は非常に驚き盛り上がる。
人々に思いもよらぬ感動を与える事、それこそが”花”というものだ。
となる。
「秘すれば花」とは、芸事における心得を語った言葉ではあるが、同時にこれを鑑賞する側の視点に立てば、見えないことにより、その人なりの想像を掻き立てられるという点でより深い感動に誘われるのではないだろうか。
このあとはヨーロッパガーデンの紹介となるが、それはまたのちほど。
十勝の美味しい食べ物やスイーツを期待された方にはかなり物足りなく感じられたかもしれないが、たまには美味しい空空気を吸い、美しい景色を眺めて、ココロやカラダをデトックスする機会があってもいいのではないでしょうか(^^)
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