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お節介おばさん

通勤途中

それはわたしがまだ横浜方面に仕事に行っていた頃の話。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、朝のラッシュ時の東海道線の混雑はなかなかえげつないものがあります。近頃はコロナ禍もあって多少緩和されつつありますが、それでも電車に乗ったら出来ることなら座りたいと思うのは通勤する者としては当然の心境だと思います。

かくいうわたしも、電車に乗ったら出来れば座りたい派です。ましてあの頃は、まだ子宮筋腫の手術をしておらず、過多月経による酷い貧血に悩まされていたこともあり、駅の階段の登り降りさえ辛かった時期でした。

そんなある日、たまたま運良く席を確保して半分うつらうつらしていると、突然見知らぬおばさんに肩を掴まれ、「あなた寝たふりなんかしてないで、この人に席を譲りなさいよ」と怒鳴られたのです。

見ると、妊婦さんが斜め向かいにいたのですね。確かに、それは気の毒には違いありません。でも、なぜ「席を譲れ」とわたしが言われたのでしょう。

妊婦さんが立っている目の前にも人はいたのですが、その人はいかにも怖そうなおじさんでした。なのでそのお節介なおばさんは、声を掛けやすいわたしに白羽の矢を立てたのでしょう。

勿論わたしも半分寝ていなければ、すぐに気がついて妊婦さんに席を譲ったかもしれません。が、その時は本当に寝たふりなどしていなかったので、席を譲ったあとも、妊婦さんではなく、ヒステリックにわたしを怒鳴りつけたおばさんに対して横浜駅で降りるまで悶々とした気持ちが消えませんでした。

他人に優しさを求める人

このように、他人に優しさを求める人ほど、実は当人はそれほど優しくない場合が多いです。

何しろ、他人に優しさを求めるという行為は、結局、自分の考えを相手に押し付ける事であって、それはとても“優しい“といえる振る舞いではないからです。

そもそも、他人に優しくあってもらいたいなら、まずは自分が優しくするべき。そうすることで結果的に相手の気持ちに余裕が出来て優しくなってくれる事もあるかな?ぐらいの努力目標程度のものでしょう。

そして、自分で自分を優しいと言うような人で本当に優しい人なんて、わたしは今まで見たことがありません。

そういう人は往々にして、他人にとって都合の悪い部分でさえ「わたしは優しくて正しい人間なんだから全て正しいものとして受け入れるべき」などと真顔で考えていそう。

そして、自分の思い通りになる人に対しては優しいふりは出来ても、そうじゃない人に対しては途端に冷酷になったりします。だから勝手な思い込みで相手を罵倒しても…それすらも、「正しい自分がすることなんだから正しい事」だなんて思っているのでしょう。

なんかこれって怪しげな宗教とか詐欺みたいで胡散臭い。

だからわたしは、そんな人たちとはあまり親しくなりたいとは思いません。もちろん意識して敵対するつもりはありませんが、決して信用も信頼もしないでしょう。

そして、わたしが自分を優しくないと思うのは、常に相手の顔色を伺うようなことは出来ないから。そして誰かの思い通りになんて動きたくないから。それはきっと他人から見れば“優しくない“。だからわたしは優しい人ではないと思うのです。

いまや“やさしさ“はトレンド

子どもにやさしくしないといけない、お年寄りにやさしくしないといけない、ペットにやさしくしないといけない、地球にやさしくしないといけない。

いま多くのメディアで、そんな「やさしくしないといけない」話がたくさん発信されています。それだけやさしさのない行為が増えてきたということです。

だからいまこの国の人は、やさしさを欲しがり、段々それがエスカレートしてきて、やさしくあれと他人に強要するようになってきています。

社会や環境はやさしさを求めるから、正論には違いありませんが、それも程度問題です。

やたらと過剰にやさしさを重視し、その必要性を訴える人は、その人自身、親からやさしく育てられなかったのでしょう。やさしさに飢えているので、じつはやさしさも情も乏しいというケースなのでしょう。

周囲に愛情を注がれて育った人は、やさしさの必要性なんか声高に叫ぶ必要はなく、他人に対するやさしさを自然に持ちあわせているものです。やさしさなんて当たり前すぎて主張するような話ではないのです。

また、やさしさを連呼する人を、やさしいと錯覚し、相談したりすると思わぬ事態に陥る可能性も孕んでいます。なぜなら、こういう人は自分の立場や権利、主義を荒らされたら怒るエゴイストと、表裏一体をなしている可能性が高いからです。


一転、ここまでとは全く違う話になるのですが、投資の世界では「噂で買って事実で売れ」という格言があります。

噂で買って事実で売れとは…

買い材料の噂が出た段階で買って、事実として発表された段階では、売った方が良いという意味の格言で、相場は事実よりも先に噂や思惑で動くものなので、事実として公表された段階では既に織り込み済みになっている場合が多いということ。

その視点からみると、いまやもう“やさしさ“というトレンドも織り込み済みなのかなと。

トレンドばかりに振り回されて自分を見失うことがないよう常に心掛けたいものです。

今日もお読みいただき、ありがとうございます。

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